和歌の解説

坂本龍馬〜世の人はわれをなにともゆはばいへわがなすことはわれのみぞしる〜意味と解釈

坂本龍馬〜世の人はわれをなにともゆはばいへわがなすことはわれのみぞしる〜意味と解釈

〈原文〉

世の人はわれをなにともゆはばいへわがなすことはわれのみぞしる

〈現代語訳〉

世の中の人が私になんと言いたければ言えばいい、私のすべきことは自分のみが知っている。

概要

坂本龍馬は、天保6年(1836年)に生まれ、慶応3年(1867年)に31歳で亡くなる幕末の土佐藩士です。

薩長同盟の成立に協力するなど、倒幕や明治維新に関与した人物で、大政奉還成立後に暗殺されます(参考 : 近江屋事件)。

近江屋事件は、江戸時代末期(幕末)の慶応3年11月15日(1867年12月10日)に坂本龍馬と中岡慎太郎、龍馬の従僕であった山田藤吉の3人が京都河原町通蛸薬師下ルの近江屋井口新助邸において殺害された事件。実行犯については諸説あるが、江戸幕府の組織である京都見廻組によるものという説が有力である。

出典 : 近江屋事件|ウィキペディア

この「世の人はわれをなにともゆはばいへわがなすことはわれのみぞしる」とは、坂本龍馬の名言として知られる言葉で、「たとえ世の中の人々がなんと言おうとも、自分のすべきことは自分だけが知っていればいいのだ」という覚悟を示す和歌です。

たとえば世間において批判の声も多く、周囲でも賛成の声が少ないという状況であったとしても、それでも、自分の信念を持って進んでいるのだ、そのことは、自分だけが知っている、という想いが伝わってくる名言です。

分かりやすく口語訳すれば、「言いたい奴は勝手に言ってろ、俺の使命は俺だけが知っている」といった意味合いになるでしょう。

周囲の声や孤独ゆえに、自分の信念を曲げそうなときに、自分自身を鼓舞するように詠んだ和歌だったのかもしれません。

坂本龍馬が、姉に送った手紙のなかに書いた歌で、製作時期は不明です。

暗殺によって亡くなる坂本龍馬には、正確には「辞世の句」というものはないものの、この言葉は、坂本龍馬の姿勢を表したものとして挙げられる歌です。

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